この記事は「広報あやがわ」に掲載されている「健康コラム」向けに、当院の医師が執筆したものを再構成したものです。

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日寒くなってくると風邪をひくことが多くなることはご存じのことと思います。その原因の多くはウイルス感染症です。大方の場合、自分の体のもつ「免疫」という防衛機能で、自然に治ることが多いです。

風邪の予防

かぜには感染予防が大切です。部屋は暖かく18度以上がすすめられています。ある研究では香川県の住宅は室内温度が全国でも一番低いそうで、適切な暖房器具の使用が必要です。また、室内の湿度を保ち、適度に換気をして、同室者からうつされないように気を付けましょう。外に出る時も暖かい服装にして、雨に濡れないようにし、もし濡れたらすぐに着替えましょう。人ごみに行くときはマスクをして、帰宅したときはまず手を洗い、ウイルスや菌を自分の体に入れないようにしましょう。免疫力を落とさないように、適切な食事と睡眠時間を確保します。インフルエンザやコロナの予防接種をしておくこともよいでしょう(感染予防は完全ではありませんが、悪化を防ぐ効果は間違いなくあります。)

風邪にかかったら

37・5度以上の発熱やのどの痛み、咳、全身倦怠感などがあれば、感染を疑って、体に負担にならないように、十分な栄養をとって休息しましょう。食欲がなければ、野菜ジュースやスポーツ飲料などの水分500mlを食事の替わりに取るようにします。脱水にならないように気を付けましょう。コロナ感染の時代なので、あらかじめ薬局でコロナ感染キットを買っておいて、症状があるときに自分で検査するのもよいでしょう。インフルエンザの検査キットは発熱後8~24時間くらい経過しないと陽性になりません。のどの痛みや咳、熱などの症状が強ければそれらを抑える薬を使い、症状を和らげます。市販の風
邪薬でほとんど対応できます。それでも、よくならないようなら医療機関を受診しましょう。ウイルス感染症であれば、細菌を殺す抗生剤は無効です。耐性菌発生の原因にもなりますので、安易な使用は控えましょう。持病があり、感染症による悪化が予想されるようであれば、前もって主治医に対応策を聞いておきましょう。

陶病院 内科 川上

川上 和徳
内科
  • 内科医師
  • 日本プライマリ・ケア連合学会認定医
  • 日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医
  • 産業医